SESと客先常駐の違いとは?実情から辞めるべきかの判断まで解説

SESと客先常駐の違い

 SESと客先常駐の違いを知りたい
 客先常駐させる会社は辞めるべき?
 客先常駐から抜け出す方法を知りたい

こんな疑問や悩みを解決できる記事を用意しました!

ひこじるし

こんにちは、ひこじるしです。

  • 会社員としてSE歴20年以上
  • 転職でSES(客先常駐)の会社は2社経験

 

SESと客先常駐の違いから、良い会社を判断する基準までを説明しますので、ぜひ参考にしてくださいね!

 

※本ページはプロモーションが含まれています。

SESと客先常駐の違いとは?

まずはSESと客先常駐の定義です。

 

SESとは?
SESとは、System Engineering Serviceの略。
IT業界では、準委任契約で労働力を提供することを「SES」と称する。

 

客先常駐とは?
客先常駐とは、自分が所属する会社ではなく、お客様のオフィスに常駐して働くこと。

SESと客先常駐はほぼ同じ意味

SES(準委任契約)でも自社で勤務することは可能です。

しかし、SESで契約する場合、ほぼ客先常駐なのが実情。

そのため、本記事では「客先常駐(SES)」という表現で記載していきます。

 

 

IT業界で使われる契約形態3つ

準委任契約(SES)を含めて3つの契約形態が、IT業界ではよく使われます。

 

1:準委任契約(SES)


・法律行為以外の特定の業務を遂行する契約。※法律行為の場合は「委任契約」と称する。

・成果物に対する完成責任は負わない。

 

2:派遣契約


・派遣先へ技術者を派遣し、派遣先の指示のもとで業務を遂行する契約。

・成果物の完成責任は負わず、指揮命令権は発注者にある。

 

3:請負契約


・契約の期日までに完成した成果物を納品できたら、報酬を受け取れるという契約

・受託開発などで利用される。

 

「準委任契約(SES)と派遣契約との違い」、「準委任契約(SES)と請負契約との違い」など、契約形態の違いは下記を参考にしてくださいね。

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客先常駐(SES)のメリット5つ

まずはSESの「メリット」から掘り下げていきましょう。

 SESのメリット5つ
1. いろいろなスキル、経験、業務知識が得られる
2. 社外の人と繋がりができる
3. 未経験でも正社員に採用されやすい
4. お客様に評価されると、任される業務も高度になり、やりがいもアップ
5. 将来的にフリーランスになれる

 

メリット1:いろいろなスキル、経験、業務知識が得られる

SESはいろいろな会社に常駐して仕事します。

しかも業界は金融、医療、流通、食品などさまざま。

さまざまな業界や会社を経験することで、幅広いスキル、業務知識が得られますね。

 

ひこじるし
私も未経験からたくさんの現場を経験し、スキルアップできました!
客先常駐(SES)の1番のメリットだと思います。
【補足情報】
日本は欧米と比べて、システムを外注する傾向あり。
そのため、SES企業のエンジニアがさまざまな業界で働いている。
興味のある方はこちらの記事を参照してください。

メリット2:社外の人と繋がりができる

常駐先は大手SIerお客様(大手企業)が多いです。
また同じチームとして一緒に働くのは、主に他社のSESエンジニアの方ですね。
大手SIerやお客様、そして他社エンジニアなど、同じオフィス内で働くので、さまざまな人脈を作ることができます。
ひこじるし
常駐先の方たちと仲良くなると、楽しい現場になりますね!

メリット3:未経験でも正社員に採用されやすい

経済産業省は、2030年に最大で79万人のIT人材不足を発表しました。

 

IT業界の人材不足は、今後も続くとが予測されます。

 

そのため、未経験でも正社員として採用されるチャンスは多いです。

私も未経験から入社しました!

転職でSES企業は2社経験しましたが、どちらも未経験者を積極的に採用していましたね。

メリット4:お客様に評価されると、任される業務も高度になり、やりがいもアップ

自分の仕事がお客様に評価されると、下記に繋がります!

 

  • 単価が上がる(給料アップにもつながります)
  • 任される業務が高度になる
    • 基本設計などの上流工程を任される
    • 小さなチームのリーダーとなる
  • 評価されることで、やるがいもアップする
    • 自分が貢献してることが実感できると、うれしいですね

 

メリット5:将来的にフリーランスになれる

スキルや経験が付くと、会社に頼らずに自分で案件を探すことができます。

私のこれまでの経験ですが、やはりスキルと経験年数で判断されることが多いですね。

将来の選択肢に「フリーランス」が加わるのは、とても心強いです!

 

 

客先常駐(SES)のデメリット5つ

続いてSESの「デメリット」について説明していきます。

 

デメリット5つ
1. 理想のキャリアプランが築きにくい
2. お客様の環境になじめないとストレス
3. 下請けへのパワハラや無茶なオーダー
4. 常駐先で1人で孤立
5. 給与アップが難しい

 

デメリット1:理想のキャリアプランが築きにくい

下記理由から、希望するキャリアが築けないのです。

  • 自分の希望よりも、会社の都合で常駐先が決まる
  • エンジニアがやりたい仕事の現場でも、契約期間があるので続けられない
  • SESエンジニアを使う側は、求めるスキルを既に持った人を探す

たとえばPythonを希望しても、既にスキルのあるJavaの現場ばかり行かされるなど。

 

デメリット2:お客様の環境になじめないとストレス

常駐先の環境が合わなくても、自分が合わせるしかないですよね。

ストレスを感じる具体例をあげてみます。

  • 飲み会が多い
  • 体育会系なノリ
  • 苦手な人がいる
  • 自分の机がないので私物が置けない
  • トイレがいつも混んでいる

 

デメリット3:下請けへのパワハラや無茶なオーダー

IT業界の多重下請け構造が、無茶なオーダーを下請けにさせる原因の一つです。

お客様からの無理な要望は、元請けではなく2次請け以降のエンジニアが対応するからです。

 

また現場リーダーの人間性も、働きやすさに影響します。

私の経験ですが、メンバーの作業量だけでなく心理的負担まで配慮してくれるリーダーもいました!

一方で、きつい言葉使いや高圧的な態度で接してくる方もいます。

 

ひこじるし
リーダーの人間性は、エンジニアによって影響が大きいですね

 

デメリット4:常駐先で1人で孤立

常駐先に一人で行くケースがよくあります。

私も20年以上経験がありますが、ほとんど一人でした。

不慣れな現場で、気軽に相談できる人が居ないのは不安ですよね。

また、自分だけ会社が違うことも、疎外感を感じる原因でしょう。

 

デメリット5:給与アップが難しい

下記3つの理由から客先常駐(SES)のエンジニアは給料が上がりにくいのです。

 

  • 理由1:発注元は単価の低いエンジニアを選ぶ
  • 理由2:SESは経営的に、社員の給料を上げにくい
  • 理由3:IT業界の多重下請け構造

 

客先常駐(SES)の給料アップの難しさは下記で詳しく書いています。

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会社を辞めるべきかの判断基準は3つ

下記いずれか1つでも当てはまる場合、会社を辞めるべきか、検討する時期かもしれません。

 判断基準3つ
1. そもそも客先常駐が嫌!
2. 社員を大切に扱わない
3. 今の会社では理想のキャリアプランが実現しない

それでは順番に解説していきます。

 

判断基準1:そもそも客先常駐が嫌!

客先常駐が嫌だとしても、会社の方針が変わらない限り、何も解決しないでしょう。

もし会社で方針変更の話が出ているならば、待っても良いかもしれません。

ただ、自分ではコントロールできないことです。

そもそも客先常駐が嫌ならば退職を検討した方が良いでしょう。

 

判断基準2:社員を大切に扱わない会社

社員の要望に耳を傾ける会社は、社員を大切に扱ってる証拠です。

たとえば「現場を変えたい」という要望を伝えた場合、会社は何かしら対応が必要です。

できれば社員に我慢し続けてもらった方が、会社とって都合が良いのです。

 

たとえ実現が難しい要望だとしても、社員に全く耳を傾けない会社に対して、

「自分は大切に扱われている」と感じますか?

 

客先常駐は、自社の方とたまにしか顔を合わしません。

そんな客先常駐だからこそ、帰属意識や仲間意識が必要なのです!

 

判定基準3:今の会社では理想のキャリアプランが実現しない

以下に該当する場合、理想のキャリアプラン実現は難しいでしょう。

  • 希望の仕事をしてる人が社内にいない
    • 上流工程を担当したいけど、社内の誰もやってない(上流工程の案件がない)
    • 将来はコンサルタントになりたいけど、社内に誰もいない
  • 案件が決まった現場しかない
    • 決まった現場しか案件がない場合、身に付くスキルが限られます
  • 希望の案件に行かせてくれない
    • 会社都合で案件が決まる場合、理想のキャリアプランは実現できませんね

 

 

客先常駐(SES)から抜け出す3つの方法

客先常駐(SES)から抜け出す方法は、まず「会社に希望を伝える」です。

それでもダメなら、転職かフリーランスのどちらかとなります。

方法1:会社に希望を伝える

会社にあなたの希望の仕事があるならば、そちらへの異動を願い出ることです。

異動願いが無理ならば、方法2へ。

方法2:転職

転職の前に、まずは自分の理想を明確にすることが大切です。

  • 自分の会社のシステムを開発したいのか?
  • お客様のシステムを開発したのか?
  • アプリ開発など上記以外をしたいのか?

 

理想を明確にできたら、転職先を探します。

自分の会社のシステムを開発したいなら、自社開発企業や社内SEなどが候補ですね。

お客様のシステムを開発したいならば、商流の浅いSIer(元請け、二次請けなど)が良いでしょう。

 

 

方法3:フリーランス

経験年数が長い、もしくはそろそろ自信がついて来たという方には、フリーランスになることをおすすめします。

なぜなら、何事も自分で選択できることに、自由さと生きがいと感じるからです。

育児などのライフスタイルに合わせて週3勤務、もしくは在宅の案件を選んだり、希望の案件なら客先常駐するのもアリでしょう。

まずはフリーランスエージェントにて、自分のスキルに合った案件がどれくらいあるかを確認してください。

下記記事で言語別の案件数を調べましたので、ぜひ参考にしてください。

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まとめ

  • 客先常駐はお客様のオフィスに常駐して働くこと、SESは準委任契約で労働力を提供すること。
  • SES会社を辞めるべきかの判断基準は3つ
    • 1:そもそも客先常駐が嫌!
    • 2:社員を大切に扱わない会社
    • 3:今の会社では、将来的に理想のキャリアデザインが実現しない
  • 客先常駐(SES)から抜け出す方法は3つ
    • 1:会社に希望を伝える
    • 2:転職
    • 3:フリーランス

客先常駐(SES)のイメージは悪いかもしれませんが、私にとってはたくさんのメリットがありました。

所属していた会社には感謝しかありません。

ただ、デメリットがあるのも事実。

 

ひこじるし

会社を辞めるかの判断は、直感に従うのもアリ!

直感は潜在意識の願いかもしれないので。

 

最後に、おすすめの転職サイト、フリーランスエージェントを載せておきますので、興味のある方は参考にしてください。